ヨーロッパ(EU加盟国)のペットフード規制

EUの国旗

EU加盟国の99%は、ペットフードの製造、マーケティング、輸入に関する規制要件を共有しています。日本とは違い、ペットフードを人間の食べ物と同じく衛生・安全・品質の最高水準を保証するために厳しく規制しているのです。

EU加盟国には、動物飼料の生産を管理する規制と指令の発行を担当する

  • 欧州連合理事会(The Council)
  • 欧州議会(EP)
  • 欧州委員会(EC)

という3つの規制委員会があります。

また、FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)というペットフード業界を代表する団体がEU当局と協力して、ペットフードの製造を規制・監視しています。

EU法の規則とFEDIAFによる監視・規制に分けて、それぞれの内容をみていきましょう。

EU法の規則

ガベル

EUでのペットフードの製造は、「動物由来の材料」「非動物由来の材料」「添加物」の3つの製品カテゴリに基づいて規制されています。

また、数百ものペットフードを規制する法律があります。

法律の対象範囲

EUが定めるペットフードに関する法律の対象範囲は次の通りです。

  • ペットフード工場を運営するための公式要件
  • ペットフードの表示に関する規制
  • 一般的な広告ルール
  • 動植物由来の原料
  • 有用性、有効性、安全性に応じた添加剤の使用
  • 健康および衛生対策(肉製品の貿易および加工に関する特定の健康証明書を含む)
  • 原材料および最終製品の管理のためのサンプリングおよび分析方法
  • 特定の衛生および安全管理、ならびに表示宣言の管理
  • 代謝が一時的または不可逆的に損なわれている動物に使用するためのダイエットペットフードの使用

各法律についての詳細を知りたい方はこちらのFEDIAF公式サイトで公開している資料をダウンロードしてください。
(※一番下のリンクをクリックするとドキュメントファイルをダウンロードできます)

 

法規制の具体例

EU法によるペットフード規制に関していくつか具体例を見ていきましょう。

製造業者の登録・承認

ペットフードの製造業者は、製造するものに応じて、国内の特定の当局によって登録または承認されなければいけません。

製造業者の登録・承認に関して3つほどルールがあります。

  1. 製造業者が人間の消費に適した動物起源の原料を利用し、人間が通常食べるものではない、または過剰な製品の場合、その施設は獣医当局によって承認されなければいけません。
  2. ペットフードを生産する施設は、準拠法(規制183/2005)の遵守のために当局によって現地で検査および登録されなければなりません。
  3. ヨーロッパのペットフード製造業者の業界団体に、製造プロセスに関する追加のガイドラインと行動規範があり、(これらの規制のすべてに法的根拠があるわけではありませんが)一部の規制には地方自治体が施行し、強制することができます。

肉副産物の使用

規則(EC)No.1774/2002には次のように書かれています。

特に、健康検査の結果として人間の消費に適さないことが示された動物に由来する動物の副産物は、フィードチェーンに入らないようにしてください。 ただし、これらの動物の副産物は回収され、特定の健康状態の下で技術製品または工業製品の生産に使用される場合があります。

参照:EUR-Lex - 32009R1069 - EN - EUR-Lex

 

FEDIAFによる監視・規制

FEDIAF

ヨーロッパにはFEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)というペットフード業界を代表する業界団体があります。

構成メンバーはヨーロッパ18か国にある全200のペットフード会社と、それ以外の4つの会社(ヒルズペットニュートリション、マーズペットケア、ネスレプリナペットケア、ウェルペット)です。

EU当局と緊密に協力して、健康でバランスの取れた高品質な製品の生産を確保しています。

また、製造業者・栄養士・生化学者・微生物学者・獣医が動物の栄養を研究するR&Dセンターもあり、メーカーを支援するための猫と犬の栄養ガイドラインを作成しています。

さらに、さまざまな栄養のトピックに関する正確な情報(ファクトシート)も制作していて、こちらFEDIAF公式サイトから無料でダウンロードできます。

いくつかの監視・規制の中から、今回は2つほどご紹介したいと思います。

 

ペットフードの製造工程

こちらがFEDIAF公式サイトにあるペットフードの作り方に関するビデオです。

 

1. 飼料材料の素組成

栄養素の適切なバランスを実現するために、ペットフードメーカーは、肉、魚、穀物、野菜などの成分の混合物をブレンドするか、サプリメントの形で供給されます。

EUのペットフード業界では、野菜の原料(穀物、マメ科植物)と混合された魚の切り身産業からの肉の副産物、家禽肉、または残り物を使用できます。

食肉処理場、そして動物たちから来る動物由来の材料は、公式の獣医サービスによって人間の消費に適したもののみ通過できます。

飼料の栄養価と細菌学的特性が前提条件です。 動物由来の原料を使用するすべてのペットフード工場は、獣医サービスの管理下になければならず、製造業者は工場に入るとすぐにすべての飼料材料の分析を行います。

2. 処理

サイクルの開始時に、シリアル、肉、または魚の供給業者は製造業者によって承認されなければなりません。

それら供給業者の選択は、製品の細菌学的特性だけでなく、鮮度、栄養品質、消化性が支配的な仕様に基づいて行われます。

次に、生産現場の品質管理者が、材料が仕様に準拠していることを確認します。 彼らは、タンパク質のレベルと脂肪の割合を測定します。

その後、食品は製造プロセスに組み込まれ、継続的に監視されています。

工場内の完全自動化された生産ラインは、原料の投与で最適な精度を保証し、ヒューマンエラーのリスクをすべて排除し、オペレーターが材料や食品と物理的に接触することを回避します。

3-1. ウェットフード(缶詰)の生産技術

解凍後、肉製品は事前に切り刻まれ、30分以内の生産を含むサイロに保管されます。

その後、生産チェーンに入るとすぐに、レシピに必要な材料が投入され、粉砕されます。 無限のネジがコンポーネントを収集して重量を量ります。

結果として生じる質量は、その後、薄いプリカッターとミキサーに送られます。 この段階で、必要に応じてミネラル、シリアル、ビタミンを加えて、猫または犬のバランスの取れた食事を確保します。

その後、製品は缶、トレイ、またはパウチに詰められ、人間の食品プロセスを使用して滅菌されます。

3-2. ドライフードの生産技術

特定のレシピに必要な材料は、最初に測定され、粉砕され、混合されます。

生産は、調理押出と呼ばれる特別な技術によって達成されます。 これには、動物と野菜の材料の混合物を圧力と温度の複合効果に12秒間さらすことが含まれます。

このプロセスにより、デンプンの完全な調理が保証されるため、製品は非常に消化されやすくなります。

次に、乾燥食品に脂肪を噴霧して、組成を完成させ、嗜好性を高めます。

参照:RECIPES AND PROCESSING - FEDIAF

 

動物性タンパク質の規制

ペットフードに使用される犬・猫の死骸

この画像は1990年にEarth Island Journalが発行した記事に掲載されていたものです。
とてもショッキングな画像ですよね。

当時、動物用飼料製造工場では何千もの病死、屠殺、安楽死した犬と猫の死骸が使用されていたのです。
牛や羊、豚、馬から切り取った頭や蹄、ネズミやアライグマの死骸もあったといわれています。

詳細を知りたい方はこちらに原文の日本語訳が掲載されています。

ドッグフード原料のショッキングな事実! ゴミだ! アメリカの暴露記事を翻訳紹介! | 愛犬問題 犬の身になって考えてみよう - 楽天ブログ

 

ペットフード業界では、主に人間の食物連鎖からの余剰製品を原料に使用しています。

そのためEUでは、ペットフードの品質と安全性を確保するために、原料の使用を管理する厳しい規則を定めています。

動物性タンパク質は、獣医の監督下で屠殺されたか、魚や魚介類の管理下にあり、EUの法律の非常に高い基準を満たしている動物からのものでなければなりません。

使用されている動物由来の成分

ペットフードで使用される動物の部位には人間にあまり消費されない多くのものが含まれています。これらは人間にとっては魅力的ではないかもしれませんが、ペットにとっては栄養価の高い部位があります。

たとえば、腎臓、脾臓、肺、豚の速歩馬、乳房、加工後に残った魚の一部などは、ペットフードでよく使用されます。
これらの成分は、タンパク質、必須アミノ酸、その他の貴重な栄養素の優れた供給源を提供するからです。

使用を禁止している動物由来の成分

動物由来の成分でも次に該当するものはペットフードの原料に使用できません。

  • 屠殺時に人間の消費に適していると獣医の検査に合格していない動物の成分
  • 廃棄物、交通事故、病気の動物など

参照:Animal proteins used in EU pet food - FEDIAF

 

最後に

ヨーロッパ(EU加盟国)ではEU法とFEDIAFによってペットフードの製造・販売が厳しく管理・規制されていることがわかりました。

ヨーロッパの動物愛護の精神が、このようなきちんとした法整備に反映されているんだなあと感心するばかりです。

日本もアメリカやヨーロッパのようにペット先進国の仲間入りができるのはいつになるのでしょうか。。

 

 

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