安全なドッグフードの選び方 | 愛犬の健康と成長のために

愛犬を抱く飼い主

ペットの健康は毎日の食事から。
そう考えて、愛犬に与える食べ物にこだわりたい飼い主さんは多いのではないでしょうか?

犬は人と違い、自らの意思で健康を管理することができません。基本的には飼い主さんが与えた食べ物をずっと食べ続けることになると思います。
だからこそ、愛犬の健康を守るために与える食事には気をつけたいものです。

しかし、店頭やネット上には星の数だけドッグフードがあるため、どういう基準で選べばいいか迷ってしまう飼い主さんも多いと思います。

そこで今回は、安全でおいしいドッグフードを選ぶための正しいステップについてご紹介します。

ドッグフード選びで大切なポイント

主食としてドッグフードを与えるならば、選ぶときに大切なポイントが4つあります。

  1. 国産 or 外国産を選ぶ
  2. 「総合栄養食」の表記があるフードを選ぶ
  3. 与え方を選ぶ
  4. 愛犬のライフステージにあったフードを選ぶ

 

① 国産 or 外国産を選ぶ

海外のドッグフード販売コーナー

安心で安全なドッグフードを選びたい。けれど、私たち消費者は圧倒的に情報不足の立場です。
なので数少ない情報の中からドッグフードが安全なのかどうか判断しなければなりません。

そこで大切な判断材料の一つが、日本(または海外)でペットフードがどのように規制されているのか、についてです。

人間の食べ物の場合、国産の方が高価で品質の高いイメージがありますよね。
しかし、ペットフードに関しては必ずしもそうとは言えません。

日本のペットフード規制

2007年の春にアメリカでペットフードの大量リコール事件が発生しました。
販売されていた中国製ペットフードの中に有害物質であるメラミンが混ざっており、たくさんの犬と猫が健康被害を受けてしまったという悲しい事件です。

日本ではこの事件をきっかけに、2年後の2009年にペットフード安全法(愛玩動物用飼料の安全性の確保に関する法律)がつくられました。
しかし、法律によって多くのガイドラインが作られたものの、表記の定義や基準が曖昧な部分が少なくありません。

たとえば、“国産”という表記があっても原材料の産地が日本とは限らないのです。
なぜなら法律による国産の定義は「その原料に実質的な変更をもたらす最終加工が行われた国である」と書かれているからです。

参照:農林水産省:ペットフードの原産国

現状の対策としては「メーカーに原材料の原産国を聞いてもらうほかない」(農林水産省消費・安全局)とのことです。

さらに、ペットフード公正取引協議会の公式サイトに書かれている、

ペットフードは、食品ではありませんので、食品関連の法令(食品衛生法、JAS法、健康増進法等)による規制は受けません。

参照:ペットフード公正取引協議会・表示のQ&A

からわかるように、日本ではペットフードを「食品」として認めていません。
市販のペットフードが食品売り場ではなく、雑貨コーナーにあることからもわかりますね。

食品関連の法令を受けないのは、日本で有機JASマークのつくドッグフードを見かけないことからわかります。
(※海外ではオーガニック認証マークのついたドッグフードがあります)

海外のペットフード規制

ペットフードが誕生したのは1860年頃です。
ロンドン在住のアメリカ人が犬用につくったビスケットが始まりといわれています。
(※日本で初めて作られたのは1960年です)

ペット先進国と言われているアメリカやEU加盟国(イギリス・ドイツ・フランス・スウェーデンなど)では、ペットフードに関する規制が厳しいことで知られています。

たとえばアメリカでは、大量リコール事件をきっかけに、FDA(食品医薬品局)、USDA(農務省)などの連邦政府機関と各州政府がペットフードの流通、製造と表示に関して規制しています。
また、AAFCO(アフコ)という団体がペットフードの栄養基準をつくり公表しています。

アメリカ国旗

アメリカ産ドッグフードを選ぶなら知っておきたい!アメリカのペット事情

2019年8月10日

EU加盟国も同様に、ペットフードを含む飼料全般について人間の食べ物と同等の厳しい法規制があります。

EUの国旗

ヨーロッパ(EU加盟国)のペットフード規制

2019年8月19日

このように、日本ではペットフード安全法ができたものの、安全基準のチェックや高さは海外の方が厳しいと言えるでしょう。

飼い主さんに知っておいてほしいことは、

  • アメリカとEU加盟国のほうがペットの法整備が進んでおり、規制が厳しいこと
  • 国産だから安心とは必ずしもいえないこと

です。

国産フードの中にも品質にこだわった安心・安全なフードはあるかもしれません。
しかし迷った場合は、産地がアメリカまたはEU加盟国のフードを選ぶことをおすすめします。

 

② 総合栄養食のドッグフードを選ぶ

ドライドッグフード

主食としてドッグフードを選ぶ際は、「総合栄養食」の表示があるフードを選びましょう。
ドッグフードは目的別に、以下の4つに分類されます。

総合栄養食

毎日の主食として与えることを目的にしたフードです。犬の成長段階ごとに栄養の基準が設けられており、このフードと水だけで健康を維持できる栄養バランスが考えられています。
日本の栄養基準はアメリカのAAFCO(アフコ)の指針をもとに、ペットフード公正取引協議会の規約に反映されています。

間食

ペットとのコミュニケーションをとるための手段やご褒美として与えるおやつやスナックです。

療法食

獣医師が特定の病気や健康状態のペットを、栄養学的にサポートすることを目的にしたフードです。
ただし、法令上一般のドッグフードと同様に区分されるため、獣医師からの処方箋がなくても飼い主さん自らの判断で購入できてしまいます。
療法食を買おうと考えている飼い主さんは、必ず動物病院で診断を受けてから獣医師の選んだフードを与えるようにしてください。

その他

特定の栄養素やエネルギーの補給などの目的で与えるフードです。
「一般食(おかずタイプ)」「栄養補完食」「カロリー補完食」「副食」「サプリメント」などがあります。

 

③ 与え方を選ぶ

餌の前で待つ2匹の柴犬

ドッグフードの区分は次の3つに分けることができます。
ペットにどのようなタイプのフードを与えるのか選びましょう。

ドライタイプ

水分含有量が10%程度、あるいはそれ以下のドッグフードです。
重さ当たりの栄養価が高く、コストパフォーマンスがいいため最も普及しています。
カリカリとした食感が特徴的で保存性にも優れています。
食器にフードを盛り付けた後、常に食べられるようにしておく「自由給与」も可能です。

セミモイストタイプ

水分含有量が25~35%程度のドッグフードです。
やわらかな食感で、ドライフードが食べにくい犬でも食べられるよう作られています。
しっとりさを保つための湿潤調整剤、腐敗防止のために酸化防止剤などの添加物が使用されていますが、開封後はできるだけ早く消費するようにしましょう。

ウェット(缶詰)タイプ

水分含有量が75%程度のドッグフードです。
やわらかくて食べやすいため多くの犬が好んで食べるタイプです。栄養素と一緒に水分も摂取できるのが特徴的です。開封前であれば長期保存ができます。

 

④ ライフステージ別にドッグフードを選ぶ

子犬

哺乳期

誕生~30日ぐらいを指します。
通常この時期は母乳で成長します。
母乳が飲めない場合は犬専用のミルクを与えてください。

乳の成分の違い
牛乳と犬の乳の違い
犬の食事と人間の食事が違うように、乳の成分も人間と犬で異なります。犬の乳は牛乳と比べてたんぱく質や脂肪の量が多く、乳糖などが少ないのが特徴です。母乳の代わりに牛乳を与えるとエネルギー不足でうまく成長できず、さらに乳糖をうまく消化・吸収できない可能性があります。そのため哺乳期では母乳があげられない場合、犬専用のミルクを与えるようにしてください。

離乳期

生後20~60日ぐらいを指します。
離乳期用または成長期用(子犬用)のフードをやわらかくして少しずつ与えましょう。

成長期

成長期は犬のサイズによって次のように期間が分かれます。

  • 小型犬:生後50日〜10ヶ月程度
  • 中型犬:生後50日〜1年
  • 大型犬:生後50日〜1年半
  • 超大型犬:生後50日〜2年

成長期は成犬期の体をつくり上げる大切な時期です。
そのためより多くのタンパク質やビタミン、ミネラルを必要とします。
市販製品では、成長期用(または子犬用)と書かれたフードがあります。

大型犬・超大型犬はカルシウムの摂取に配慮が必要
生後5ヶ月くらいまでの犬はレセプターという体の機能が発達していないため、カルシウムを必要以上に吸収してしまします。成長期の大型犬・超大型犬は骨の成長スピードが早く、カルシウムの多い食事を与えると成長をもっと早めてしまい、関節や骨の病気になるリスクが高くなるといわれています。なので小型犬・中型犬の食事と比べ、より低カロリー・低カルシウムの食事を与えるようにしてください。

参照:犬の成長期 | 犬と猫の栄養成分辞典

成犬期

成長期を終えてから7年間(大型犬では5年)程度を指します。
市販製品では、成犬用と書かれたフードをがあります。

中高齢期

約8~10歳(大型犬は6~7歳)以降の時期を指します。
最近は「シニア犬」などと年齢により細かく分けて表示されたフードがあります。

 

Q&A

Q&A

Q. フードの食いつきを重視して選べばいいでしょうか?

多くの飼い主さんが「食いつき」のみでフードを選んでしまいがちですが、ペットの健康管理のために原産国とドッグフードの種類(総合栄養食・その他)を調べるようにしましょう。
次に、犬のライフステージによって必要な栄養量が異なるため、製品のラベルを見て、ペットの年齢にあったフードを与えるようにしてください。

Q. グレインフリー(穀物不使用)の方がいいのでしょうか?

穀物アレルギーがある犬にはグレインフリーを、そうでない場合は通常のドッグフードを与えるようにしてください。

ペットが穀物アレルギーを持っていない限り、穀物はペットにとって有害ではありません。
むしろ、穀物は副栄養素のいい供給源で、ほとんどの犬にとって優れた食材と考えられています。

もっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

参照:ペットフードに穀物(グレイン)は必要? 疑問解決編

また、2019年6月に発表されたFDA(アメリカ食品医薬品局)による最新の報告書ではグレインフリーフードが拡張型心筋症(DCM)を引き起こす原因になっているのではないかと発表しています。
しかし現状では、因果関係があるのかないのかはっきりしたことは判っていません。原因も詳細もわからない発表に振り回されず、愛犬の健康状態をよく見て、心配であればかかりつけの獣医師さんに相談してみましょう。

参照:米FDA発表グレインフリードッグフードと犬の心臓病についての情報と、飼い主の心得
英語原文:FDA Investigation into Potential Link between Certain Diets and Canine Dilated Cardiomyopathy

Q. 獣医師さんに薦められたドッグフードがあるのですが…?

獣医師さんの指導のもと、薦められたドッグフードを与えるようにしてください。
血液や尿、うんちなどの検査によってペットの健康状態を理解しているのはかかりつけの獣医師さんです。適切な診断を受けたのち、ペットに最適なドッグフードを獣医師さんが選んでくれるでしょう。
また、療法食は獣医師さんからの指導を受けたときのみ与えるようにしてください。

 

ドッグフードを選びおわったら

数あるドッグフードの中からペットに与えるフードは決まりましたか?

ドッグフードを選ぶことも大切ですが、毎日与えるフードでペットの栄養バランスがきちんと取れているかチェックすることも同じくらい大切です。

栄養バランスのとれたフードとは何か、与えているフードがペットに合っているのか確かめる方法はこちらの記事をご覧ください。

栄養バランスのとれたドッグフード

栄養バランスのとれたドッグフードとは?その見分け方もご紹介

2019年8月15日

 

 

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