栄養バランスのとれたドッグフードとは?その見分け方もご紹介

栄養バランスのとれたドッグフード

「ペットに毎日同じドッグフードを与えているけれど、栄養が偏ってしまわないだろうか?」
「今与えているドッグフードの栄養バランスがいいかわからない」

この記事はそんな心配をしている飼い主さんに向けて書いています。

ペットに与えるドッグフードは一度選んだら、基本的には何度も変更することはありませんよね。
毎日同じものを与えるからこそ、栄養バランスのとれた食事でペットの健康管理をきちんとしたいものです。

今回は栄養バランスのとれたドッグフードとは何なのか?そして、選んだフードがペットに合っているのかどうか見分ける方法をご紹介します。

栄養バランスのとれたドッグフードとは

基本的には「総合栄養食」と表示があるドッグフードならば、毎日同じものを与えていても問題ありません。
なぜなら、総合栄養食は犬が必要とする栄養基準を満たしているからです。

総合栄養食の栄養基準はアメリカのAAFCOが定めるガイドラインを、日本のペットフード公正取引委員会が規約に反映しています。

AFFCOについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください

アメリカ国旗

アメリカ産ドッグフードを選ぶなら知っておきたい!アメリカのペット事情

2019年8月10日

ただし、注意してほしいのは、栄養基準はあくまで分析値であり、原材料の質の良し悪しを保証するものではないということです。

真の意味で栄養バランスの取れたドッグフードとは、原材料に含まれる「栄養素」のバランスがペットに合っていること。
なので大切なのは、総合栄養食だから安心というわけではなく、毎日ペットに与えているドッグフードの栄養バランスがとれているか飼い主さんがきちんとチェックしてあげることなのです。

しかし、みなさんは栄養学を真剣に学びたいと思いこの記事を読んでいるわけではないかもしれません。
なので、ドッグフードの栄養についてきちんと知り、真の意味で栄養バランスの取れたドッグフードについて学びたいという方はこれより先を読み進めてください。

最低限飼い主さんに守ってほしいのは「総合栄養食」という表記を確認することです

愛犬を抱く飼い主

安全なドッグフードの選び方 | 愛犬の健康と成長のために

2019年8月6日

 

5大栄養素とは

5大栄養素

生物が生きていくために、体内にとり入れなければならない食事中の成分を「栄養素」といいます。
栄養素は体内で3つの重要な働きをします。

  • エネルギー源となる
  • 体をつくる
  • 体の調子を整える

5大栄養素とは栄養素のうちの「タンパク質」「脂肪」「炭水化物」「ビタミン」「ミネラル」を指します。

タンパク質

タンパク質

タンパク質はたくさんのアミノ酸が繋がってできたものです。
体内での消化や代謝をはじめ、さまざまな反応に不可欠な酵素や免疫反応で重要な働きをする抗体もタンパク質でできています。

食事中のタンパク質は、消化酵素によってアミノ酸に分解・吸収されます。
そして、吸収されたアミノ酸や体内でつくられたアミノ酸から、必要な新しいタンパク質がつくられます。

体の中でタンパク質を構成しているアミノ酸は20種類です。
20種類のアミノ酸のうち、体内で作り出すことができず、食事からとる必要のあるアミノ酸を必須アミノ酸といいます。
人は8種類、犬では10種類あります。

動物性タンパク質と植物性タンパク質
タンパク質の種類
ドッグフードに使われるタンパク質の原料は「動物性タンパク質」と「植物性タンパク質」の大きく2つに分かれます。
かつては動物性タンパク質の方が犬にとって消化しやすく良質と考えられていましたが、現在では食品の加工技術が進み、植物性タンパク質でも十分消化・吸収できます。
むしろ植物性タンパク質の方が消化率が高いこともあります。
たとえばフードの原材料として記載されている「チキン」と「コーングルテン」では一般的に生の「チキン」は消化率が80~85%程度で「コーングルテン」は高品質なものだと消化率が90%を超えるのです。
大切なのはタンパク質の種類(肉or穀物)ではなく、タンパク質に含まれるアミノ酸などの栄養素がきちんと体の中に取り込まれるかどうかです。

脂肪

脂肪

脂肪は、1つのグリセリンに3つの脂肪酸が結合して構成されています。

消化酵素によってグリセリンと脂肪酸に分解されるが、そのままでは水に溶けないため、胆汁と混ざり「ミセル」と呼ばれる水に溶けやすい構造になった後、吸収されます。

細胞膜を構成する成分になる他、性ホルモンや胆汁酸の原料となる大切な栄養素です。

また、脂肪はエネルギー源としても重要で、タンパク質や炭水化物よりも約2.5倍も高いエネルギーを含みます。
過剰な脂肪の摂取は肥満の原因となるのでペットに与える量に気をつけましょう。

炭水化物

炭水化物

炭水化物は、動物が消化できる「糖質」と消化できない「食物繊維」の2つに分かれます。
糖質は小腸で、消化酵素によりブドウ糖まで分解されて体内に吸収されます。

犬は人間と比べて、この消化酵素が少なく成長期の前半では特に糖質の消化が苦手なので注意が必要です。

消化・吸収されたブドウ糖は体内で、

  • 直接エネルギー源として利用される
  • 体脂肪として脂肪組織に蓄積される
  • グリコーゲンとして肝臓に蓄えられる

などの役割を果たします。

食物繊維はそのまま便として体外へ排出されるか、腸内細菌の栄養源となります。

糖質の供給源となる穀物
穀物
グレインフリー(穀物不使用)のドッグフードをよくみかけるようになりましたが、穀物を与えるのは犬にとって良くないことなのでしょうか?
確かに犬の祖先であるオオカミは穀物を食べません。
しかし、人間も稲のまま食べることはありませんよね?
脱穀や加熱など適切な処理をしなければ人間は米を消化できないのです。
犬にとって「糖質」はエネルギーのもとになる大切な「栄養素」で、犬が体に取り込めるよう加工された適切な量の「糖質」を含むフードは優れたフードだと考えられます。
原材料に穀物が使われているかどうかよりも、穀物に含まれる「糖質」がきちんと消化・吸収できるかどうかが重要です。
たとえば、トウモロコシの粒はそのままだと皮があるためうまく消化できず「糖質」を吸収することができません。
しかし、細かく砕いて粉末にしてあげれば、中に含まれる「糖質」などの栄養素がきちんと消化・吸収できます。 

参照:ペットフードに穀物(グレイン)は必要? 疑問解決編

ビタミン

野菜

ビタミンは、わずかな量で体内の代謝をスムーズに行う働きをします。
消化されることなくそのままの形で体内に吸収され、多くは酵素の働きを助ける補酵素として体のさまざまな生理作用に関係する栄養素になります。

ミネラル

骨

ミネラルは身体を構成する元素のうち、炭素、窒素、酸素、水素を除いたものいいます。
そのままの形で体内に吸収され、骨などの組織を構成したり、酵素の働きを助ける補因子になる

 

犬の食性

オオカミ

犬の祖先はオオカミといわれていて、オオカミはもともと集団で草食動物を獲物にして暮らしていた肉食動物です。

しかし何万年も前から人間と付き合いを深め家畜化された結果、雑食性の食生活に親しんできたため、今では「肉食に近い雑食動物」とされています。

ただし注意が必要なのは、「雑食動物だから肉も野菜も食べなければならない」というわけではないことです。
雑食動物とは「動物性の食品を摂取しなくても生きていくことができる動物」であると考えてください。

 

犬に理想的な栄養バランス

犬と人間に必要な栄養素

肉食に近い雑食動物である犬と人間では健康状態を保つために必要となるバランスが異ります。
犬にとって理想的な栄養バランスの基本は「高タンパク質」「低炭水化物」です。
犬は人と比べて多くのタンパク質を必要とします。
また、人と違い炭水化物を多くとるような体の仕組みになっていません。

 

原材料と栄養素

ドッグフードの原材料と栄養素

犬は肉食に近い雑食動物だから、ドッグフードの原材料には「肉」が最も適していると考える人は多いのではないでしょうか?それは本当に正しいですか?
実は、必ずしもそうではありません。

犬が必要としているのは「肉」そのものではなく肉に含まれるアミノ酸などの「栄養素」です。
原材料は「必要な栄養素を体の中に運ぶための手段」であり、原材料そのものよりも、含まれている栄養素のほうが大切なのです。

 

質の高い原材料とは

これまでの話をまとめると、質の高い原材料の条件は

  • 必要な栄養素を含んでいること
  • その栄養素が犬の体の中にきちんと取り込まれること

です。

言いかえると、質の高い原材料とは「消化性が高い」ものです。
とくに「アミノ酸」の供給源である「タンパク質」や「糖質」の供給源である「炭水化物」には高い消化性が求められます。

 

消化性の高いフードの見分け方

犬のうんち

消化の良いフードかどうかは、どのように見分ければいいのでしょうか?
ドッグフードについて真剣に考えている飼い主さんの中にはパッケージに書かれた原材料の表示を見る方もいるかと思います。
たしかに、ペットフード公正競争規約には原材料を使用量の多い順に表示するよう決められているので、原材料の一番目を見れば何が最もフードに使用されているのかわかります。

しかし、原材料の一番目に書かれていてものが必ずしも消化が良くて必要な栄養素を多く含んでいるとは言えないのです。
つまり、パッケージの原材料を見たところで、消化が良いフードかどうか正確に見極めることはできません。

フードの消化性の良し悪しを見分ける唯一の方法は、犬の「糞便」をよく観察することです。
「糞便」が適切な固さで量が少なければ消化性が高いといえるでしょう。

 

栄養バランスのとれたドッグフードの見分け方

フードの栄養バランスが猫や犬に合っているかどうかは、どうすれば見分けられるでしょうか?
ほとんどの場合、それは皮膚と毛ヅヤを見れば分かります。

犬の皮膚と毛ヅヤ

出典:ヘルス ニュートリション ラーニング プログラム

小型犬では体重の約20%、中型犬や大型犬では約10~15%が皮膚と被毛に占められていて、その健康を維持するためには多くの栄養素を必要としています。

たとえば、わずか2種類のミネラルが必要な量を満たさなかっただけで、皮膚病になってしまうことさえあるくらいです。
そのため、皮膚と毛ヅヤは「栄養状態のバロメーター」といわれます。
健康な犬であれば、栄養バランスが合ったフードを食べていると、しなやかでツヤのある被毛をしています。
なので、フードを変更して毛ヅヤがよくなれば、そのフードが猫や犬に合っていると言えます。

ただし、犬の皮膚が新しく入れ替わるには約3週間かかりますから、フードを変更したら1ヵ月を目安に皮膚と毛ヅヤの状態をよく観察するようにしましょう。

 

最後に

ロイヤルカナンのヘルスニュートリションラーニングプログラム

今回の記事は、ロイヤルカナンさん提供の「ヘルス ニュートリション ラーニング プログラム」に書かれている内容を参考にさせていただきました。
ロイヤルカナンの情報は獣医師による監修のもと発信されており、獣医学の専門書の出典になるほど信頼のおける情報源です。

ネット上にはまだまだデタラメな情報がたくさんあって、ドッグフードに関する正しい情報が埋もれてしまっているのが現状です。

正しい知識を飼い主さんが持つことによって、ワンちゃん含め家族全員の暮らしが少しでも良くなることを願っています。
今回の記事がみなさんのお役に立てれば嬉しいです。

 

 

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